用語辞典

※本記事は情報整理・学習目的で、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

この記事の位置づけ(YMYLの鎧)

本記事は、米国株の決算記事やKPI解説で頻出する用語(YoY/QoQ/ASP/Backlog/WFE)を「意味・計算・見る場所・注意点」の順で整理した用語辞典です。
売買判断の指示ではなく、決算資料を読みやすくするための基礎整理に絞っています。

使い方(迷子防止)

  • 柱記事や決算テンプレで分からない用語が出たら、ここに戻って確認します。
  • 各用語は見出しになっているので、内部リンクで「該当箇所」へ直行できます。

用語一覧(目次)

YoY(Year over Year / 前年同期比)

意味(何)

「今年の同じ時期」と「去年の同じ時期」を比べて、売上やKPIがどれだけ増減したかを見る指標です。
季節性がある業界でも比較がズレにくいのが強み。

例(イメージ)

去年Q3売上100 → 今年Q3売上110
YoY +10%(前年より10%増)

計算(どう出す)

YoY(%)=(当期 − 前年同期)÷ 前年同期 × 100
※たいてい決算資料にYoYはそのまま載っています。

どこで見る

  • Earnings Release / Presentation:売上・利益・主要KPIのYoY
  • 10-Q / 10-K:増減した理由(文章で説明)

読み方(初心者向け3ステップ)

  1. 売上のYoYで方向(伸びてる?鈍ってる?)
  2. 会社コメントで理由(価格・数量・為替・需要)
  3. 関連KPIで裏取り(セグメントや主要指標)

注意(断定しない版)

前年が特殊(落ち込み/一時要因)だとYoYは派手に見えやすいです。
→ **「数字 → 理由 → 裏取りKPI」**の順で確認。

QoQ(Quarter over Quarter / 前四半期比)

意味(何)

直前の四半期(前Q)と比べて、売上やKPIがどれだけ増減したかを見る指標です。
YoYより**足元の変化(加速/減速)**が分かりやすい反面、季節性でブレやすいです。

例(イメージ)

前Q売上100 → 今Q売上95
QoQ -5%(前四半期より5%減)

計算(どう出す)

QoQ(%)=(当期 − 前四半期)÷ 前四半期 × 100
※決算資料にQoQが載っていることも多いです。

どこで見る

  • 決算資料の四半期比較(表・グラフ)
  • ガイダンス(次四半期見通し)とのセットで読むと理解が早い

読み方(コツ)

  • YoYで長期の向き、QoQで今の勢い
    • YoY:トレンド(長めの流れ)
    • QoQ:足元の勢い(加速/減速)

注意

  • 季節性が強い業界(小売、広告など)ではQoQ単体だとブレやすい
    → YoYと並べて読むのが安全です

ASP(Average Selling Price / 平均販売価格)

意味(何)

商品やサービスが平均いくらで売れているかを示す「単価」の指標です。
売上の増減が「数量」なのか「価格」なのかを分解するのに役立ちます。

基本の考え方(式)

  • ASP = 売上 ÷ 販売数量(出荷数、台数、契約数など)

※会社によって「数量」の定義が違うので、ここが一番ミスりやすいです。

どこで見る

  • KPIとしてASPを開示している企業:決算資料のKPI欄
  • 製品別売上と数量の開示がある場合:自分で概算できることもあります

読み方(何が分かる)

  • ASP上昇:高付加価値化、値上げ、上位モデル比率増などの可能性
  • ASP下落:低価格帯ミックス増、競争圧力、在庫処分などの可能性

注意

  • ASPだけ見て「値上げ成功」と決め打ちしない
    数量(ユニット)やミックスとセットで読むのが安全です

Backlog(受注残 / 受注残高)

意味(何)

すでに受注していて、まだ売上として計上されていない“仕事の残り”です。
受注生産型・装置・インフラ・大型案件などで出てきやすい用語です。

どこで見る

  • 決算資料(受注・出荷・Backlogの開示)
  • 10-Q/10-KのMD&A(業績説明)にコメントが載ることもあります

読み方(手順)

  • Backlogが増える:需要が強い、供給制約で納期が延びる、受注が積み上がる…などの可能性
  • Backlogが減る:出荷が進む、受注が弱い、キャンセルが増える…などの可能性

注意サイン

  • キャンセル条件や受注の定義で見え方が変わる
    → 「需要の確定版」と断定せず、“確認ポイント”として扱うのが安全です

WFE(Wafer Fab Equipment / 半導体製造装置市場)

意味(何)

半導体工場(Fab)で使われる製造装置への投資(市場規模・支出)を指す言葉です。
ざっくり言うと「半導体の設備投資サイクル」を語るときの中心語です。

何に効く(なぜ重要)

  • 装置メーカーや部材、周辺サプライチェーンはWFEサイクルの影響を受けやすい
  • 企業の業績が「投資フェーズ」か「調整フェーズ」かを説明するときに便利

どこで見る

  • 企業の決算資料:顧客投資環境のコメント、装置需要の見通し
  • 業界団体・調査機関のレポート(引用するなら短く、出典明記が必須)

注意

  • WFEは推計や定義の違いが出やすい領域
    → 数字を出すなら「どの機関の定義か」を添えると信頼性が上がります

まとめ(最短ルート)

  • YoY:方向(前年同期比でトレンド確認)
  • QoQ:温度(足元の加速/減速)
  • ASP:売上の中身(価格と数量の分解)
  • Backlog:受注生産の“残り仕事”(定義とキャンセル条件に注意)
  • WFE:半導体設備投資サイクルの共通語(定義差に注意)

「数字 → 理由 → 裏取りKPI」の順で読む
これだけで“雰囲気投資”から一歩抜けられます。たぶん。


出典・参考(一次情報へ戻れる導線)

  • 企業の決算資料(Earnings Release / Presentation)
  • SEC提出資料(10-Q / 10-K)
  • 決算説明会(Earnings Call)の会社コメント
    ※KPIの定義は企業ごとに異なるため、個別記事では原典リンクを添えます。

更新履歴

  • 2025-12-25:初版